著 者:横松 心平
判 型:四六判・並製本
頁 数:288頁
ISBN:978-4-87739-453-0
書店発売日:10月23日(道内)
明治新政府の農業生産拡大に向けた取り組みから、開拓期の北海道に根付いたタマネギやジャガイモ、トウモロコシなどの西洋野菜たち。今や北海道野菜とも呼ばれるそのルーツや品種改良の取り組みなど、知られざるエピソードを紹介した歴史読み物です。発行所「一般財団法人 HAL(ハル)財団」のレーベル「HALの森舎(もりしゃ)」第一弾書籍!
◇目 次
序 開拓使と官園──西洋野菜の導入を支えて
1 東京官園──開拓使のショールーム
開拓使の設置と官園の始まり/ショールームとしての官園
2 開拓使仮学校──札幌農学校の前身
3 七重官園──なんでも作った総合試験場
農業の下地を作ったガルトネル/七重官園を牽引した現術生徒たち/殖産興業のための実験場に発展
4 札幌官園から札幌農学校「校園」へ
ケプロンと札幌官園/開拓使の「官園」から札幌農学校の「校園」へ
5 独自の役割を果たした根室官園
6 開拓使仮学校とアイヌ
Ⅰ タマネギ──黄色いダイヤ
1 タマネギ栽培の始まり
発祥の地は「札幌村」/当別でも栽培されたタマネギ
2 タマネギの定着
札幌村で始まった販売用栽培/初の商業栽培に成功した札幌村
3 投機と輸出
本格化する海外輸出/投機の対象になったタマネギ
4 札幌黄とは?
札幌を代表する品種「札幌黄」/肉食の拡大とともに普及
Ⅱ ジャガイモ──品種ごとにドラマチック
1 ジャガイモ栽培の始まり──開拓時代を生きのびろ
救荒作物として広まったジャガイモ/在来種から疫病に強い海外品種へ
2 ジャガイモの主要品種──男爵薯・紅丸・メークインをめぐる物語
男爵薯(だんしゃくいも)/紅丸(べにまる)/メークイン
3 ジャガイモでん粉の歴史──でん粉で大儲け
4 料理に欠かせないジャガイモ
Ⅲ トウモロコシ──フリントからスイートへ
1 開拓者の命をつないだフリントコーン
開拓期における貴重な食用作物/食用以外にも使われるトウモロコシ
2 スイートコーンの登場
Ⅳ アスパラガス──冷害にたちむかうミスター
1 日本に伝わった未知の野菜(明治期)
2 ミスター・アスパラガスの登場と缶詰加工(大正期)
岩内で育まれた寒冷地栽培への道/アスパラガス缶詰の生産がスタート
3 激動の連続だった発展史(昭和期)
喜茂別でも始まったアスパラガス栽培/耕作者と缶詰製造業者の攻防/北海道各地に広がる生産地
Ⅴ リンゴ──感動的なおいしさ
1 日本への導入──アメリカからもフランスからも
ケプロンの大号令/今も残る開拓使のリンゴ
2 七重──ガルトネルがやってきた
3 札幌──民間の“リンゴベンチャービジネス”始まる157
4 札幌・平岸リンゴ──かつては日本一の大産地
5 余市──高い品質が評価され世界に輸出
《資料》リンゴの品種
Ⅵ 甜菜(ビート)──甘みを求めて
1 日本の砂糖の歴史
2 手探りの明治期(紋鼈と札幌)──「砂糖を作りたい!」
2人のミスター・シュガー/日本初の製糖工場が完成/課題だらけの製糖業
3 再挑戦の大正期(十勝)──険しい道のり
4 安定生産の昭和期──ついに砂糖の時代がやってきた
5 現在の甜菜と砂糖
Ⅶ カボチャ──命をつないだ糧
1 西洋カボチャの導入と開拓
開拓使が導入した「西洋カボチャ」/カボチャに救われた開拓農家
2 マサカリカボチャの復活
マサカリカボチャ復活への挑戦/まさかりで切って加工品に/全国生産の半分を占める道産カボチャ
Ⅷ キャベツ──北国の気候に適した人気野菜
1 キャベツの導入
江戸末期に北海道へ移入/明治期にはロシアへ輸出
2 栽培の拡大と普及──味噌汁からとんかつへ
南へと広まった栽培地/普及に一役買ったとんかつ
3 札幌大球と越冬キャベツ
札幌大球/越冬キャベツ
Ⅸ 小豆・金時・花豆──波瀾に満ちた過去
1 小豆──日本の和菓子を支える「赤いダイヤ」
小豆栽培の広がり/海外から“移輸入”された小豆/小豆みがきと井出英作/冷害が生んだ「赤いダイヤ」
2 金時──十勝でブランド化されたインゲン豆
輸出も盛んだったインゲン豆/ブランド化に成功した大正金時
3 花豆(紫花豆・白花豆)──紫色の豆から生まれた白い豆
《資料》小豆の代表品種
高橋早生/エリモショウズ
[番外編]馬と野菜──馬が支えた北海道の野菜と農業
ケプロンのプラウとばんえい競馬/アニー号と石狩ペル/馬のエサとして広まったニンジン/タマネギ栽培に欠かせなかった馬
あとがきに代えて──種を守り続ける営み
主要参考文献
◇著者プロフィール
昭和47年(1972)年東京生まれ。北海道大学大学院農学研究科農業経済学専攻修士課程修了。同大学院博士課程を経て、農業団体に勤務。平成19年(2007)より執筆に専念。著書に『札幌はなぜ、日本人が住みたい街No.1なのか』(柏艪舎、2007)、『続・札幌はなぜ、日本人が住みたい街No.1なのか―札幌夢追い10人衆』(柏艪舎、2008)、『ご主人、「立ち会う」なんて、そんな生やさしいものじゃありませんよ。』(柏艪舎、2011)、『振り返れば私が、そして父がいる』(立松和平との共著・随想舎、2016)、『鳩摩羅什 法華経の来た道』(立松和平との共著・佼成出版社、2017)などがある。