著:土田 映子
判型:四六判(194㎜×133㎜) 上製本
頁数:320頁
ISBN:978-4-87739-440-0
書店発売日:2026年4月24日 (金)
【あらすじ】
「最後に真剣な恋をしたのは、いつ」――
アメリカ文学を講ずる大学教授・朝永惇也の前に、琥珀色の瞳と赤みがかった髪を持つ工学系大学院生・如月燎がTA(授業補助)として現れる。二人には、バイセクシュアルという共通点があった。二年前に妻を亡くして以来、時が止まったような精神生活を送る朝永の心に、明るい如月の働きかけは光をもたらす。
有能なTAとして朝永を支える如月と、学生相談員として如月の悩みを聞く朝永。しかし、如月が朝永の自宅を訪れ、若き日の朝永をモデルとした写真を発見した時から、二人の関係に変化が生じる。その写真は、朝永が米国人日本文学者の愛人として、女と男、二つの性を生きた時代があったことの証拠だった。
秘密に踏み込もうとする如月に危険を感じる一方、朝永は彼に対する自分の想いに気づく。職業倫理を守り、感情の一切を知られまいと決意する朝永だったが、美しい如月に悪意を持って近づく者がいた……。
ナサニエル・ホーソーン、泉鏡花、谷崎潤一郎の作品世界を参照し、告白文学・クィア小説・BLジャンルの境界に紡ぐ、越境の物語。
【著者略歴】
土田映子(つちだ・えいこ)
父の赴任先の岩手県で生まれる。東京・米国ワシントン州・北海道で育つ。シカゴ大学大学院社会科学研究科博士課程修了(Ph.D.)。2002年より北海道大学教員。2026年現在、同大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。全学教育英語のほか、大学院教育学院で国民国家・移民・エスニシティなどの視点から教育を考える授業を担当。学術的著作に「テクノロジーが創る国民・エスニシティ――文化的アイコンとしての科学・技術と集団アイデンティティ」(兼子歩・貴堂嘉之編『「ヘイト」の時代のアメリカ史 人種・民族・国籍を考える』所収、彩流社、2017年)などがある。