研究開発と政策実装 科学技術イノベーション政策のための科学の実践
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編著:森田 朗・山縣 然太朗・黒河 昭雄
JST社会技術研究開発センター
判型:A5判(210㎜×148㎜) 並製本
頁数:408頁
ISBN:978-4-87739-441-7
書店発売日:2026年4月24日 (金)
●書籍内容
科学的知見を、いかにして政策に実装するか。
研究成果は、なぜ政策で使われないのか。エビデンスに基づく政策立案(EBPM)の重要性が広く認識される一方で、最先端の研究成果がそのまま政策に反映されることは稀である。現実の政策決定プロセスと科学的エビデンスのあいだには、異なる言語、価値観、インセンティブの衝突による深い「死の谷」が存在する。
本書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)が、2011年より15年にわたり推進してきた「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」の成果を総括し、「政策のための科学」をめぐる理論と実践の両面から、研究と政策をつなぐ原則・戦略・戦術を体系化したものである。
第1部の理論編では、科学と政策を橋渡しする主体としての「学術的政策起業家」に着目する。研究者が政策実装の過程で担っている「シャドーワーク」の実態を浮き彫りにし、これまで個人の暗黙知として埋もれてきた実践を「実装科学」の視座から分析する。政策関与のアプローチを「移行型」「課題設定型」「伴走型」「概念利用型」の4類型として体系化するとともに、政策過程で求められるエビデンスのあり方を再定義する。
第2部の実践編では、ジェンダーバイアス、スター・サイエンティスト、子どもの貧困、医療提供体制、イノベーションとレギュレーション、インフラマネジメント、縮減社会における農林地利用、感染症対策と経済活動、感染症数理モデルなど、現代社会における複雑な課題に挑んだ9つのプロジェクトによる政策実装の事例を収録する。政策実装をめぐる「死の谷」を克服した研究者自身の筆によるナラティブを通じて、政策実装のリアルなダイナミズムが描き出される。
本書は、科学的知見の政策実装をめぐる困難を、研究者の「個人の努力」やスキルの問題ではなく、我が国の科学-政策インターフェースにおける構造的課題として捉え直す。
そして、その克服に向けた理論的枠組みと実践的知見を提示する、これまでにない「政策実装論」である。
エビデンスに基づく政策形成に関わる研究者・行政官・中間人材、そして社会課題の解決を志すすべての実務家・学生にとって必読の書。
●目次
はじめに(森田 朗)
【第1部】 「政策のための科学」の概念・類型・態様
第1章 科学技術イノベーションのための「政策のための科学」とは(森田 朗)
第2章 「問題解決のための科学」と「政策のための科学」─「非制度的な科学的助言」の視座から─(黒河 昭雄)
第3章 学術的政策起業家による政策実装へのアプローチの類型 ─知識利用と実装科学─(黒河 昭雄)
第4章 政策実装の阻害要因と成功要件(黒河 昭雄)
第5章 エビデンスの再定義とエビデンスプロセス ─Policy EvidenceとPolicy Reason─(梶川 裕矢)
【第2部】 政策実装の実践的アプローチ
第6章 数物系女性はなぜ少ないのか(横山 広美)
第7章 スター・サイエンティスト研究を通じた政策・ビジネスへの知の社会実装(牧 兼充)
第8章 データに基づく医療提供体制の合理化(伊藤 由希子)
第9章 子どもの貧困研究の政策実装(阿部 彩)
第10章 イノベーションとレギュレーションの共進化(加納 信吾)
第11章 科学的根拠に基づくインフラマネジメント政策の形成に向けて(貝戸 清之)
第12章 縮減社会における農林地利用の意思決定と科学的支援のあり方(香坂 玲、高取 千佳)
第13章 研究を発信する ─コロナ危機からの教訓─(仲田 泰祐)
第14章 感染症数理モデルを活用した根拠に基づく政策形成 ─パンデミックを通じた課題─(西浦 博)
【第3部】 座談会
未完のミッションとしての「政策のための科学」
(森田 朗、山縣 然太朗、小林 傳司/モデレーター:黒河 昭雄)
あとがき(山縣 然太朗)
執筆者紹介
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